自立移動困難な子どもの移動支援システム

人間は成長過程における運動機能の発達による自立移動の獲得によって、 自ら周辺環境に働きかけることで認知・情緒などの心理的な発達が促されます。 しかし、運動機能障害を持つ子ども達は学習の機会が制限され、 運動面だけでなく人間性発達の障害となっています。 本研究では、運動機能障害を持つ子ども達の発達を支援することを目的として、 様々な移動支援機器による移動体験システムの開発に取り組んでいます
びわこ学園の理学療法士の方々と Kids Loco Projectを立ち上げて活動しています。
前輪駆動型移動支援機器
前輪駆動型移動支援機器は,悪路走破性や段差乗り越え性能が高くなります。 よって屋内に限らず屋外に出て 様々な場所で移動体験を行うことができます. また,安全な移動体験となるようにアシスト装置や衝突防止システムの開発にも取り組んでいます.
車椅子電動化ユニット
ストレッチャー型車椅子や自分の体に適した姿勢保持装置を利用している障害児は身体的なストレスを感じてしまうため, 市販の電動車椅子による能動的な移動体験を行うことができません. そこで,普段使用している車椅子での移動体験を手軽に可能とする電動化ユニットを製作しました.
幼児用移動支援機器
市販の座位保持装置(PON-PA、Bumbo等)を搭載することが可能な移動支援機器です。 本体も安価なことから、子供の成長に合わせて交換しやすくなっています。
高機能型移動支援機器
メカナムホイールを利用した、すべての方向に平行移動できる全方向移動機器に、 周辺環境や子ども達の操作能力に応じた操作支援機能を搭載や座面昇降ユニットやサッカーユニットを搭載することで、 より安全で幅広い用途での自立移動体験を提供することができるようになっています。
障がい児のための全方向移動支援機器
新しいオムニホイールを用いた新しい移動機構の機体を試作することで,なめらかな走行を可能とした全方向移動機器で屋内外での使用を実現しています. さらに,子どもでも操作可能にするための操作支援をすることで,子どもの成長を支援することができます.