安 田 寿 彦 (Toshihiko YASUDA)



滋賀県立大学工学部機械システム工学科
メカトロニクス分野
助教授

〒522-8533 滋賀県彦根市八坂町2500
研究室 C6棟−108研究室
Tel. 0749-28-8389
Fax. 0749-28-8478(工学部控室)
e-mail: yasuda@mech.usp.ac.jp




プロフィール


[生年月日] 昭和31年8月24日
[出  身] 京都府
[取得学位] 工学博士(神戸大学:1995年3月)
[最終学歴] 1981年3月 京都工芸繊維大学大学院工芸学研究科修士課程修了
[職  歴] 滋賀県立短期大学工業部助手 1982年4月〜1990年3月、
       滋賀県立短期大学工業部講師 1990年3月〜1995年4月、
       滋賀県立短期大学工業部助教授 1995年4月〜1996年3月、
       滋賀県立大学工学部助教授(兼務)1995年4月〜1996年3月、
       滋賀県立大学工学部助教授(本務)1996年4月〜 現在に至る
[専門分野] 非線形システムの解析
[担当科目] 制御工学I,制御工学U(連名),機械システム工学実験,物理学実験
[所属学会] システム制御情報学会,計測自動制御学会,日本機械学会,
       電子情報通信学会,SIAM
[社会活動] システム制御情報学会事業委員(1995年4月〜)




主な研究業績


1) 1次元離散型非線形システムのフラクタル不変領域生成機構について
   砂原善文,安田寿彦
   システム制御情報学会論文集,第2巻,第12号,431〜439頁(1989年)

    非線形システムでは,十分時間が経過した後のシステムの状態は初期状態に依存す
   る.したがって,初期状態から状態量が無限大に発散するか否かを判定するためには,
   状態量が有界な領域に留まり続けるような初期状態の集合を求める必要がある.この
   ような初期状態の集合にフラクタルと呼ばれる複雑な構造を生成する機構を1次元離
   散型システムにおいて示した.


2) 1次元離散型非線形システムのフラクタルな不変集合境界の存在条件
   安田寿彦,砂原善文
   システム制御情報学会論文集,第7巻,第2号,68〜76頁(1994年)

    1次元離散時間システムにおいて,フラクタルと称される複雑な吸引域境界の存在
   条件を示した.吸引域がシステムの不変集合であることに着目し,不変集合のフラク
   タル境界出現条件を境界のハウスドルフ次元の下限を計算することによって求めた.
   この結果,システムの動特性を記述する非線形関数の3周期点が存在するときフラク
   タルな境界を有する吸引域が出現することが明らかになった.このような理論的解析
   結果を用いて,ある種の非線形要素を含むサンプル値制御系にフラクタルな境界を有
   する吸引域が出現することを示した.


3) Random Perturbations of One-dimensional Chaotic Systems with Uniform
   Invariant Distribution
   Toshihiko Yasuda, Yoshifumi Sunahara
   Proceedings of the 25th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems
   on Stochastic Systems Theory and its Applications,187〜192頁(1994)

    カオス的挙動を示す決定論的システムの状態量がある閉区間の中で一様に分布し,
   カオスシステムに加わる不規則摂動が互いに独立かつ一様分布である場合には,不規
   則摂動を含む確率システムの定常分布が元の決定論的カオスシステムと同様に一様分
   布であることを示した.


4) 不変集合の自己同相性とハウスドルフ次元
   安田寿彦
   NOLTA Workshop '95 非線形理論とその応用ワークショップ,Vol.2,31〜34頁
   (1995年)

    1次元の同相写像の組の不変集合の境界がフラクタルな境界となることをハウスド
   ルフ次元を用いて理論的に示した.この結果は,縮小写像の組の不変集合がフラクタ
   ルな集合であるというハッチンソンの定理を1次元非線形力学系において拡張してい
   る.


5) New Approaches Generating One-dimensional Chaotic Systems with Invariant
   Distribution
   Toshihiko Yasuda
   Proceedings of the 27th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems
   on Stochastic Systems Theory and its Applications,107〜112頁(1996)

    ルベーグ測度と絶対連続な不変測度を持つ1次元決定論的カオスシステムを考える.
   このようなシステムの動特性を記述する非線形関数に折り畳み・展開という幾何学的
   操作を加えて新しい非線形関数を導出することができる.この新しい非線形関数によ
   って記述されるカオスシステムもルベーグ測度と絶対連続な不変測度を有することを
   示した.
   


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