メンテナンスマネジメントおよび人工物の状態監視・診断

化学プラントなどの状態を定期的に検査することは安全性確保と生産性向上のために不可欠です. 検査により異常や潜在的な問題を早期に発見し,事故や故障を防止できます. また,検査結果をもとにメンテナンスを行うことで,プラントなどのシステムの信頼性を高め,システムの停止や修理費用の削減につながります.


機器の故障リスクや障害の可能性に基づいてメンテナンスの頻度や方法を決定する手法としてリスクベースメンテナンスがあります. リスク評価に基づいて予防的な保守活動を重点的に行い,最もリスクが高い部分に対して優先的に対処します.


COMADEM (Condition Monitoring and Diagnostic Engineering Management) 国際会議は,「状態監視・診断・マネジメント技術」を主題として,欧州を中心に北米・オーストラリアにおいて1988年から毎年開催されています. 第23回目のCOMADEM国際会議(2010年)は,(一社)日本設備管理学会主催のもと,(一社)日本保全学会,(一社)日本原子力学会,(公社)日本プラントメンテナンス協会,(一社)日本機械学会,(一社)日本トライボロジー学会,China Association of Plant Engineering の共催・協賛を得て,東大寺のすぐ近くに位置し,能楽ホールを有する奈良県新公会堂において,アジア地域で初めて開催し,成功裡に終了しました. 本国際会議開催にあたって,(独)日本学術振興会から多額の助成金を賜りました. また,(独)日本万国博覧会記念機構からも多大な助成を得ることができました. 加えて,奈良県やDNV (Det Norske Veritas AS,ノルウェー) をはじめ多くの自治体・企業様からご支援を受けました. 工場見学会でも,新日本製鐵(株)様,住友金属工業(株)様,(株)森精機製作所様 (会社名は開催当時のもの) に多大なご協力をいただきました. ここで,改めて関係機関に深く感謝申し上げます.